2019年4月28日日曜日

碧落

最近、碧落(へきらく)という言葉を知った。
意味は青い空。
そこから転じて、遠いところという意味も持つ。
「碧(あお)」に「落ちる」という言葉を組み合わせて、青い空というのは、どうも腑に落ちない。
碧はどこに落ちていくのだろうか。ずっと気になっていた。

ある日の午後のこと。
教員室からグラウンドをぼうっと見ていた。
その日はまさに碧落と表すことができるような青空が広がっていて、子どもたちは思い思いの遊びをしていた。
それはのどかで優しい光景で、思わず口元がゆるんでしまった。

ふっと、気が付いた。
碧が落ちていく先、それは心のなかだ。
空の青さに、ゆるやかでおだやかな感動をするような、そんな青空を碧落というのだろう。
ちょうどそのときの自分の心もちのような。
学校に通う子どもたちにも、空の青さが心のなかに落ちてくるような、そんなゆるやかでおだやかな感動を、日々のふとした瞬間に感じてほしい。
そのためには、落ちてくる空の青さを受け止めるだけのやわらかさが、心に必要だろう。

子どもたちの心がやわらかでいられるように、また一年精を出していきたいと思う。
「一人ひとりの子どもの心のすみずみにまで行きわたる教育を」の言葉を大切に、丁寧に子どもたちに寄り添っていきたい。