2021年9月23日木曜日

公認心理師受験について

今週日曜に公認心理師の試験を受けた。

公認心理師とは、2017年から始まった新しい国家資格で、その名の通り心理の専門家だ。

本来は大学や大学院で該当の単位を履修することで受験資格が得られるのだが、新設の資格であり、2017年から2022年まで(つまり来年まで)は5年の現場経験があれば特例で受験が認められる。

この特例での受験はGコース受験という。


今回僕はGコースで受験をした。

これはその記録。

ちなみに合否はまだ出ていない…


まずはみんなが知りたいだろう、教員の特例受験について。

公認心理師 Gコース で検索すれば、まとめられているページがたくさん出てくる。

結論から言うと、やることは3つ。

【参考】第4回試験のスケジュール

http://shinri-kenshu.jp/support/examination.html#exam_001_anchor_03


①現任者講習会を受講する。

この講習会を受けることがGコース受験の条件の1つとなる。

このブログを書いている9月後半現在、ほとんどの講習会はすでに締め切られていて、残りはいくつかの団体のみだ。

受験を検討する人は、まずはここを抑えなくてはいけない。

現任者講習会はこのページから探すことができる。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16528.html


②受験の手引きの取り寄せ 試験の申し込み

Gコースで受ける時は、この際に、「実務経験証明書」が必要になる。

これは5年の現場経験を証明するものになる。

教員が受けるときには管理職に書いてもらうことが一般的なようだ。

チェックと署名だけの簡単なものである。

5年の現場経験は5年間常勤である必要はないようで、非常勤などで週1回勤務でもいいそうだ。

この5年にあたるかどうかは、割と複雑で、この手引きの19ページ以降に書かれている。

http://shinri-kenshu.jp/assets_certified/digitalbook/html5.html#page=1

また仕事内容も、担任業務でも認められるいるようだ。

つまり実務経験証明書さえ用意できれば、教員で受験資格を得られないことはなさそうである。


③受験

公認心理師試験は、ほぼすべてが5択の選択問題で、知識問題と事例問題がある。

約150問のうち、6割とれれば慣例では合格となる。

6割と聞いて、楽勝だと初めは思ったが、ところがどっこい、求められる知識の幅が本当に広かった。

心理学の歴史や流派、心理検査の種類や得点の分析、それに認知症の種類やら脳みその機能…さらに言えばアクティブラーニングの定義にも及ぶ

とにかく広範囲で、結局は試験当日の朝まではんべそで勉強をしていた。

勉強はすべて独学で行った。

市販のテキストと試験の過去問、それに無料のYoutube動画も役に立った。

夏休みを中心におそらく200時間弱ほど勉強時間に費やしたと思う。


雑感

まだ合否が出ていないので、なんとも言えないが、勉強はしんどかった。

大学受験以来、20年以上ぶりに、いわゆるとことん知識を入れ込んでいく勉強をした。

半分くらいは教員としてのこれからの生活に生かせそうで、半分はあまり生かせそうにない印象だ。


受験のきっかけは、友人の氏原が「有馬の仕事には意味があると思うんだ。」と紹介してくれたことだ。

はじめは話半分に聞いていたけれど、うじが紹介してくれたことはうれしかった。

うじはその後もタイミングごとに連絡をしてくれて、それで本気で取り組む気持ちになっていた。

それに僕はみんなもよく知っているようにデリカシーが無い。

人の心を勉強する必要性は充分に感じていた。

資格を取って、何か明確にやりたいことがあったわけじゃないけれど、ひとつの目標として設定しやすかった。

そしてコロナもきっかけとして大きい。

どこにも行きづらくなったなかで、だから勉強に没頭できたと思いたかった。

コロナのせいで奪われたことだけでなく、何かコロナ禍だから達成できたことを作りたかった。

僕なりのコロナへの反抗心だ。


勉強すればするほど、人間の心は複雑で、分かったつもりになることが恐ろしいと理解していった。

心理を勉強すればするほど心理は分からないという結論に近づいていったことは矛盾だなと感じるけれど、その矛盾を知れてよかった。

もし合格すれば、資格としては心理の専門家と名乗れるのだろうけれど、臨床経験も無いし、それを名乗るのはおこがましい。

でも、今まで見えなかった、見えていなかったけれで気づけなかったことにはこれから気づけるんだろうなと思っている。

だから勉強してよかった。落ちていても意味があったと思う。受かりたいけれど。

うじ、ありがとう。